ああ あなたの为 そう 忍ばせてた绀い桔梗 溃れるくらいに 最期に抱きしめてたああ 悲风(かぜ)が止まり もう永别(わか)れが来るその涙 心で拭う 儚いこの徒し契り…逝春の如く 灭びねばならぬ呪缚を静かに断ち切りて万里の闇を独り歩く黄昏の如く つかの间でも良いあなたの温もり包み込む春愁の梦の至福よ今 我が身は消灭(き)えようと 揺るぎない爱惜の理ああ モノであった そう この私を震わせた あなたの强さで 最期に砕いて欲しいああ 哀しみとは もう 触れぬことその涙 どうして拭う 拙いこの後顾の忧い…逝春の如く 去ることが运命(さだめ)首筋にかかる黒髪に思わずそっと口づける残り香の如く 傍らにいたいあなたに一时逢いに来た仮寓の姿の逢瀬よ今 离れる胸と胸 爱しさを映し出す夕映え逝春の如く 灭びねばならぬ呪缚を静かに断ち切りて时空の中へ还り着く残り香の如く 傍らにいたいせめて心だけ黒曜石(いし)となりその掌に残りたいただ あなただけを想い 消灭てゆく爱惜の理